社長!馬鹿言ってんじゃねーよ! 今度は棟梁に怒られました。 なぜなら自然素材の家を「1,000万円」で作りましょうと提案したからです。 確かに、自然素材を使った家が健康にいいことは、建築に携わる者なら誰もが知っています。 しかし、三つの大きな障害のため取り組めなかったのです。 その三つの障害とは・・・ 1.坪単価60万円を切ることができなかった。 2.こだわりのお客さんが多く手がかかる。 3.腕の良い職人さんを確保できない。 棟梁は、これらの事情を熟知していたので、社長!なに馬鹿なことを言ってんだ。と怒ったのです。 「これから家を建てようとしているたくさんの人が、自然素材の家・健康な家を望んでいるのであれば、何とか挑戦してみたい・・・」 わたしには、どうしてもやってみたい挑戦(プロジェクトX)でした。 もちろん、まともな会社のやることではありません。 そこで私は棟梁説得作戦を実行しました。 「棟梁、棟梁、昔は自然素材の家がほとんどでしたよね。 棟梁は、何百棟も自然素材の家を建ててきたのでしょうね。 今の若い人たちは、天然の木とか、塗り壁とか、わかんないでしょうね。 若者に、自然の香りを満喫させたいもんですね。 本物を見せたり、触れさせたりすることで、本物の感動を与えたいですね。 そこで棟梁、今の建物に、自然素材を取り入れて、 子育て世代のための健康な家を作ってみませんか。」 棟梁は私の話を黙って聞いていました。 「社長!リビングに、スギの丸太でもドーンと立てて、若者をビックリさせましょうかね。」 「いいですね!棟梁、是非やりましょうよ!」 それからです。わたしたちは棟梁を中心に、大工さん・左官屋さん・材木屋さん・設備屋さんなど、協力会社と連携をとり、1年間に渡り試行錯誤を繰り返してきました。 しかし現実は、そう甘くはありません。 自然素材の家の特徴は「素材の持つ良さ」を十分に発揮させることです。 ところが、その材料をふんだんに使用すると、目玉が飛び出るほど高価になります。 また仮に材料費のコストダウンをクリアすることができても、 この素材を使いこなし、素材の持つ良さを引き出すことができるかどうか? いままでにない多くの問題が浮上しました。 やはり無理だったのか。あまりに無謀すぎるチャレンジだだったのか。 何度となく「もうだめだ」とあきらめかけた時もありました。 しかしくじけなかったのは、当社の棟梁(工事部長)の 「自然素材の素晴らしさを、皆さんに伝えたい、感じてほしい!」 という熱き想いがあったからです。 社員をはじめ協力会社の人たちの心を動かし、 そして遂に、自然素材のエコシリーズ「エコの家」を 完成させることができました。 @流通経路を何度も見直すことで、無垢材の価値を大幅にさげることができたこと。 A本物の家づくりができる職人が集まったこと。 B外注を少なくし、自社で工事(基礎・建て方)を行うことによりコストを削減できたこと。 「エコの家」の特徴は、 @外部は、外壁の上からエコ塗装を施した杉板を張る。 A内部は、無垢の杉板の天井と腰壁。天井と腰壁の間は、漆喰塗りか、京壁または、珪藻土塗りで仕上げています。 B床は、松の無垢材で、リビングの中央にはドーンと杉丸太が立っています。 もちろん、すべて無垢材の完璧な家ではありません。 しかし、今私たちにできる最大限の仕様にしています。